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【若宮千里】武装錬金萌えスレpart39【河井沙織】より


秋水 in 夢を見る島

(ゲームネタをやってるうちにこうなった。被害者には大変申し訳ないコトをした)



秋水は修行先のガダルカナル島からイカダで帰国していた。嵐に遭って沈んだ。
目覚めた彼の目の前には、まひろとカズキに良く似た顔がいた。
彼ら曰く、ここはどこかの島らしい。そして海岸にソードサムライXがあるらしい。
取りに言ったらフクロウが来た。フクロウは桜花だった。
「ホウホウ。この島から出たくば、島に点在するダンジョンから8つの楽器を取ればいいのじゃよー!」
「姉さん、楽器と島を出る因果関係がわからん。そもそもその年で着ぐるみ着てホウホウとか鳴いて恥ずかしくないのか?」
「少し恥ずかしいわよ。でもお仕事だから仕方ないの。とにかく楽器を集めてねー」
「…俺に対するねぎらいの言葉もないのか」
秋水は少し落胆した。その落胆が彼を破滅に導き始めていた。
面倒臭そうに最初のダンジョンに行き、「喰わせろ喰わせろ」と叫ぶ調整体をサクっと倒した。
村に帰ると、犬飼が「イクサベンにデスレイビーズをさらわれたー」と騒いでいた。
ちょっと疲れていて機嫌の悪かった秋水は、犬飼もイクサベンも、あと救助のお礼にキスをした円山も永遠に黙らせた。
ウサ晴らしにUFOキャッチャーで人形を取ったが、気分は晴れなかった。
仕方なくいやいや向かった洞窟では、ちーちんが「うひゃひゃこのツボがある限り不死身でおじゃるよ!」とか言ってた。
秋水はツボに蹴りを入れた。ツボは無残に飛び散った。
「これがなきゃ不死身じゃないんだろ。あまり茶番につき合わせるな。しまいには目を濁らせるぞ」
睨むとちーちんは泣きながら楽器をくれた。
だが涙をまなじりにため、横すわりでか細く震える姿はかえって秋水の嗜虐心を駆り立て。
彼は男性的なありとあらゆる実力行使によりちーちんを更に泣き叫ばせた。

何かが秋水の中で壊れていく。

「やあキミ、ボクのお城から黄金の葉っぱを」「知らん。自力で何とかしろ」
困った様子の蛙井を黙殺し、穴倉の奥で太&細のスライムを倒した。
その帰り道、まひろがついてきた。カモメどうこうの電波理論を聞きながら秋水はひたすら穴を掘った。
「きゃーどんどん堀りまくって!」 まひろははしゃいだ。
「ああ掘ってやるさどんどんと。この島のヤツら全員が埋まるまでな……」
滝つぼの奥でフィッシュ陣内を両断しながら呟いた。
郷愁がつのり、島の景色の一つ一つが彼の心を荒げている。

おうちを探す震洋オバケを一撃であの世に送り、
ナマズの口の中でムカデ剛太に手傷を負わされた秋水は、フラつく足で2番目の洞窟へ行った。
淡い化粧をして秋水を待っていたちーちんは色をなしたが、すぐ彼を手当てした。
「おい」 秋水はちーちんの異常に白い手首をつかんだ。「……」 ちーちんは何も抵抗しなかった。
やがて、コトが済んだ。しかし秋水の心は満たされない。居ずまいを正すと彼は神殿へ向かった。
その後ろでちーちんの涙が薄暗い洞窟に落ちた。

ミナミの神殿へ行くと、石版があった。以下は抜粋。
「この島はゾウモツで出来ている。空、陸、人、全てブチのマケタのゾウモツである」
「ゾウモツ…? フ、俺もいよいよ狂ってきたらしい。フフフ。ハハハ。ハーッハッハッハ!!」
襲ってきた像を哄笑共々真っ二つにすると、彼はキタの神殿へ向かい、そこで根来フェイスを倒した。
「アヒィー! 口が滑ってしまいそうでヤンスー! この島はブチ撒けられたゾウモツでヤンスーぅ!」
「意味がわからないな。だがどうでもいい。どうせ俺もキサマらも死ぬのだからな……」
彼は境遇を楽しみ始めている。看板の迷路にて巳田から曲を教わったのだが
生命を蘇らせるというその曲を吹き、ボロボロに崩れながら、しかしそれでも蘇った早坂真由美を見た時
秋水は爆笑した。爆笑しながら泣いた。誰に対する涙なのかわからない。
「…ヒャッホウ! そこのチビっこいの! このオレ様と勝負する気か!」
塔の頂上。鷲尾に乗って飛び回る金城との死闘は、実に6日間にも及んだ。
「ヘヘ… ま、真っ白に燃え尽きちまったぜ。だがなてめェも消えるのさ… ヤツのモツだから…な」
「だろうな…… ならば何故キサマに俺は殺されなかった? 何故俺はこの島にいる? 何故、生きて……」
分からない。もはや何もかもが分からない。
その晩、秋水は荒れた。ちーちんは夢中で受け止めた。
幾度となく体が壊れる錯覚に息を吐き、やがて彼女の意識は朝日とともに途切れた──…

「…キサマに最後の楽器は渡さねェ! さあかかってきやがれ早坂秋水!」
溶岩がたぎるカメイワの奥で、火渡フレイムが秋水を灼いた。
「知るか。どうせ死ぬんだったら一匹でも多く穴に引きずり込んでやる。そしてフタは俺の死骸さ」
また笑いながら火渡を倒した。楽器は揃った。
山にそびえる巨大なタマゴの前で8つの楽器を奏でると、はたして入り口が開いた。
「私はモツの中から生まれいでしもの… だがオマエは来た! 行くぞ!」
中に入るとヴィクターが現れた。倒した。すごい良かった。
「おめでとう! このゲー… じゃなかった。ええと眠りがどうとかで、さよならー!」
フクロウ桜花が消えると、津村斗貴子が出てきた。
楽器を演奏してもらうとモツになった島からカズキだけを引っ張りだしてどこかへ行った。
秋水の目の前にちーちんが現われ、笑いかけると寂しそうに消えた。
そこで目が覚めた秋水は、まだ蒸し暑い洋上を漂流していた。
見上げると、羽の生えたまひろが飛んでいた。終。



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