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【2次】漫画SS総合スレへようこそpart30【創作】より

照星物語

(乙一のエッセイ、小生物語のパロ。といっても最初と最後以外は自分オリジナル)



9月25日
唐突ですが日記をつけることにしました。火渡が見にくるので殺したくなりました。
絵日記風のものを目指してみましたが、うまく描けません。鍵もつけたのですが、
火渡にこじ開けられました。何が悪いのでしょうか。火渡へのパンチの入れ方が
悪いのかと思い、何度もいろいろな殴り方をためしてみました。
なぜいきなり日記をつけたくなったかというと、先日、戦団本部に帰った折に、
『セーラー服』の第一人者たる千歳(※)と日記の話をしたからです。これからの大戦士長
は、やはり日記帳のひとつも持っていなければならないと思いました。

※戦団在住の戦士で、筆者と同じ照星部隊の出身。ちなみにセーラー服というのは、中高生
が着るスカーフつきの制服。中学生までとか高校生までとか言われており、まともな格好しか
しない大人には一生、縁がないと思われる。

9月26日
バスターバロンを磨きました。

9月28日
防人を見舞いに行った帰りのこと。
道路の向こうから戦士・剛太が血みどろで走ってくるのが見えました。
一体彼の身に何があったのでしょう。なんと半裸でした。
彼は胸に、サイズがAAカップのピンクのブラジャーを付けていました。
彼は左手に、シャワーを浴びる発育不良の女子の写真を持っていました。
彼の右手は空いていましたが、ご飯つぶが沢山ついていました。
彼の両足の元では、モーターギアという武装錬金がうねりを上げて剛太を走らせていました。
彼の首はなぜかなく、ただ血煙が体を濡らしたり風に流されているだけでした。
その後ろからです。
「私の下着と入浴写真を返せー 食べかけのおにぎりを返せー ただし、首は返さねェッ!」
とひっきりなしに声が上がり、道行く人たちは皆驚いていました。
照星、声に聞き覚えがあるような気がしましたが、それを思い出す前に目が覚めました。
どうやら夢だったようです。

9月29日
昨日見た夢が正夢だということが分かりました。胴体は行方知れずです。

10月1日
湯沸かし器が壊れました。
アレはどういう仕組みなんでしょうか。中には小人さんがいて、小人さんの数だけガスコンロがあ
って、ガスコンロの数だけやかんがあって、ついでに水を出すパイプとお湯を流すパイプが小人
さんたちの横に伸びていて、湯沸かし器のスイッチが入ったら皆が一斉にやかんに水をくんでお
湯を沸かして、傍のパイプに流して、もたもたしていると隊長さんっぽい小人が怒鳴って湯沸かし
器の中に緊張の糸が張り詰めたりするんでしょうか。縦社会は大変そうです。
とりあえずお風呂に入りたかったので、火渡にバブルゲイジ(※)を食らわして湯沸かし器の中で
18時間ほどお湯を沸かせ続けてみたところ、小人さんたちはいなかったとのことだったので照星、
ショック。

※オカマの使う武装錬金で、向き出した歯茎は歯槽膿漏で異臭がする。
触れると身長を15cm吹き飛ばすが、吹き飛ばされた身長はどこにいっているのか。
聞いたところ、アフリカの恵まれない子供たちのところへ行っていて、井戸を掘っているらしい。
「だから井戸ができるまでは武装錬金を解除できないのよ」とオカマは力説していた。
筆者は世の中の意外な一面を垣間見た。気がした。

10月3日
最近はまっているのはマジックパズルというおもちゃです。
どういうものかというと手のひらサイズの直方体で、青とか白とか綺麗に塗り分けられている
各面が、1面につき9つに区切られていまして、それらが上下左右に動かせるので配置を
ごちゃごちゃにして、元通りに揃えるのが目的です。
単純ですが奥深い、実に新進気鋭のマジックパズル。平成の新発明とも言えますね。
出会いは非常に運命的でした。
お湯を沸かしてくれる火渡の朝食のアロンアルファを買いに、近所の100円均一へ行っ
た時のこと。
会計を済ますと店員さんがマジックパズルを袋に入れてくれました。
ただしアロンアルファは入っていなかったので、おそらく間違えたのでしょう。
更に照星の記憶を辿ると、代金の105円を払ったかどうかは定かではなく、店員さんも
超魔生物ハドラー(※)みたいな格好をしたおおよそ店員さんらしからぬ店員さんでしたが
きっと彼は店員さんで105円も払ったと思います。火渡にはひまわりの種をあげました。
それから照星はマジックパズルに連日連夜没頭しています。
しかし非常に回転し辛く、色のついたパーツもぼろぼろ取れます。
どうすればいいかメーカーさんに電話しようとも、忙しいのか、
「ユーは、このクワァンパニーの関係者あるか!? 私、金貸してたチャイニーズあるが@☆#!!」
と、金切り声でまくしたてられるだけで、どうにも見当がつきません。
そうそう、インターネットでマジックパズルに関して調べていましたら「ルービックキューブ」なる
まがい物が引っかかりました。こちらはまがい物のくせになんと2000円もします。
105円のマジックパズルを模倣したくせに生意気だと思いました。
きっと動きも悪くて色のついた部分もすぐ剥がれるに決まっています。

※強い。部下たちはギンギラギン。灰になっても勇者にまとわりついてニヤニヤ笑う。

10月8日
早坂秋水の世話をした。
彼は元信奉者にあたるので、正式な戦士になるには毒を抜く必要があります。
まず、香を焚いた水槽に閉じ込めて、三日三晩エサを与えず、清浄なる月の光と輝かしい
太陽の光をたっぷりと浴びせ、イヌノフグリの葉裏についた朝露を6リットルほど一気に飲ま
せ、更に「二度と万引きはしません」という誓約書を書かせる事で、はじめて信奉者の悪い毒素が
出し切られるのです。
その後は、彼にクレジットカードを作らせ、暗証番号を戦団に提出させ「いかな損害を被ろうとも訴え
たりはしません」という誓約書を書かせました。
これにより手続きは完了し、照星の懐に自由なお金が舞い込むこと請け合いです。
ただ、念願の戦士になれた早坂秋水は、姉ともども輝くような笑顔を浮かべていたので、いずれ訪
れるであろう破滅を思うと心が痛みました。
明日はホムンクルスを倒しに行くので、諸々の経費は新しいクレジットカードで補います。

10月9日
今日はホムンクルスを倒しに行きました。
午前8時に起床し、一通り準備をして待ち合わせ場所の駅前についたのが午前9時。
「もー 遅いぞー!」
約束より1時間前についたというのにホムンクルスは口を尖らせて怒り、いつものように
私の額をコツンと小突きました。
ホムンクルスは高そうで綺麗な服を着ていましたが、褒めたとしてもそれが的外れ
だとひどく不機嫌になるのがいつものことなので、やめておきました。
それから電車で二駅先の遊園地に向かいました。車中、タモリが死んだら笑っていい
ともが終わってお昼が寂しくなるけど、その時は午後は○○おもいっきりテレビを見ようと
いう話になるも、じゃあみのもんたが死んだらどうなるのかということになり、結局、結論は出ず。
遊園地はすごかったです。
やたら人相の悪い男たち(※)が鎖鎌やら投網やらを手に、堀の女はどこだ堀の女はどこだと
うら若き女性を執拗に付けねらったり、5分に1度の割合で火縄銃が戦部の頭を吹き飛ばしたり
迫撃砲が撃たれて戦部の胸に大穴が開いて血しぶきが舞い散ったり、取られたおにぎりを思う
あまりに気がふれたなんとかという戦士が腐臭ただよう生首片手に、戦部の内臓をおもうさま
ブチ撒けたりと、休日を利用した家族連れによる平和な光景が展開されていました。
私とホムンクルスはメリーゴーランドに2時間ばかり乗ったあと、採石場に行き戦いました。
勝利。来週も倒すことを約束して、駅で別れました。

※ヘタれるのが早すぎだと思います。それと残り二人になってからの話の動かなさに、やきもき。

10月10日
防人の誕生会をやり、ついでにこの照星物語を終わらせることについての意見交換が行われた。
照星は現在、仕事や趣味に忙しいため、この文章を書き続けることが面倒くさくなった。なので
終わらせてもらうことになった。照星は火渡を殴り続けなければならない。なので、エッセイとか
日記とかをやっている場合ではないのだ。秋水の世話とか手続きとか、引き受けている場合では
ないのだ。防人の見舞いとかマジックパズルとかやっている場合でもないのだ。電話とか湯沸かし
器の心配などをやっている場合ではないのだ。もちろんバスターバロン磨きをやっている場合でも
ないし、遊園地通いやホムンクルス打倒とかやっている暇はないのだ。というわけで今回で終わり
にしたいと思います。



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