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偽武装錬金ファイルＮｏ．００３ 無銘（兵馬俑）
総ての機構を歪める。
偽武装錬金ファイルＮｏ．００３
無銘（兵馬俑）
○核鉄シリアルナンバー ＸＩＩＩ（１３）
○創造者 鳩尾無銘
○形状 兵馬俑
○メインカラー クリームイエロー
○特性 ・ホムンクルスまたは武装錬金の特性を、それぞれ本人／創造者へ敵対させる。
・鱗（うろくず）というおよそ２ｍｍ四方の微小な砕片で全身が構成されている自動人形。錬金術の産物の傷口か
ら侵入した魚鱗は対象内部で自己増殖。対象のすみずみまで行き渡った瞬間、『敵対特性』で相手を攻撃する。
・『敵対特性』とは対象の
（１）武装錬金特性
（２）ホムンクルスの、基盤となった動植物の能力
のいずれか片方の『ステート』。一度の敵対特性発動につき一度だけ、（１）または（２）を対象自身への攻撃に
使用可能。（幕間からは『３分経過時点ジャストの強制発動』から『３分経過後は任意のタイミングで発動可能』）
・『敵対』の種類は対象の（１）（２）の種類によって異なるが、いずれも当人または武装錬金の能力を敵対させるた
め、予備知識なしでの回避は非常に困難。
・敵対特性発動までの時間は相手のサイズによって左右される。
・全長１８０ｃｍまでの相手ならおおむね３分で固定。それ以上のものについては超過分に比例して延長。相手が
大型であればあるほど敵対発動は遅くなる。
○特徴 ・１９０ｃｍと巨大な武装錬金だが鳩尾無銘は攻撃力より精密さを重視している。基本的に潜入や追跡、情報収集
といった任務に従事する為、不自然な動きは命取り。
・また、人間形態に変われなかった無銘にとって唯一人間らしい動きを体感できるこの武装錬金は、様々な悲しみ
や苦しみを癒す、武器以上の存在だった。そのため指先などの細かな動きには人一倍拘った。
・忍法はほぼ総て敵対特性の応用。
人間形態になれないという無銘の潜在的な自己嫌悪が兵馬俑を攻撃しているため起こる現象。赤不動は燃える
ような怒りの、薄氷は凍てつく絶望の、指かいこは不完全な犬の姿を切り裂きたいという煩悶の、忍びの水月は
誰にも自分の正体を知られたくないという恐慌の、様々な感情が、これらの忍法を使いたいという無銘の願望と
結びついた結果である。
・ただし例外もある。吸息かまいたちや銅拍子は純粋に精密を極めた技。
・人間形態の無銘の忍法は敵対特性関係なしのガチ習得。（自動人形でできたからフィードバック余裕とテンショ
ン上げたらスンナリできた。本来は無理。思い込みがそれを壊した。そして何より血筋がよかった）
・エンゼル御前と違い、人格はない。喋っているのは無銘自身。彼的には操り人形というより遠隔操作のロボット。
・わずかに掠るだけでも”まずい”ため、連携には不向きな武装錬金。音楽隊勢が乱戦時もっとも気をつけるのは
敵の首魁ではなく兵馬俑無銘との位置関係。両親同然の総角・小札や、気付けば無銘を目で追っている鐶は大
丈夫だが、鎖分銅を使う貴信は音楽隊在籍５年を超えてからも半年に一度ぐらいは『事故る』。長くしなる物はや
ばいと口を酸っぱくして注意したのはミッドナイト。
・上記は大戦士長救出作戦に無銘本人が動員されなかった理由でもある。見知らぬ大軍といきなり連携させると
戦士の方が壊滅しかねない。火渡はそう判断し、顔見知りの多い（互いの武装錬金の間合いを知っている者が
多い）銀成に無銘を残した。戦団所属なら間違いなく奇兵に分類される武装錬金。
○作者メモ
・もともと無銘のモチーフは、エンゼル御前の没案（人型になれないカメ型）。そこに前作ネゴロで出し損ねた「兵士」の武装
錬金を加味した結果、「人間形態になれないコンプレックスを自動人形に投影している」武装錬金に。
・何がいいかなーと考えているとき、横山光輝先生の「項羽と劉邦」（文庫版）が目に入ったので兵馬俑に。コレが毎巻表紙
なのです。（無銘に中国風な要素が入っているのもその影響。項羽と劉邦もいいけど史記も好き）
・当初無銘は、「人間形態になれないから正々堂々戦えず、仕方なく自動人形使っている」キャラでした。そのため特性も、
正々堂々とは無縁な、人間形態になってからは目を背けて封印するような、汚くてえげつない「武装錬金を乗っ取る」タイ
プに設定。コンピュータウィルス的な。
・ただ無銘については描いていくうち貴信との差別化で、「正心には拘るけど、任務とあらば手段を選ばない」タイプになった
ので、作者的にはまさかの続投。
・イメージソースは柘植の飛猿。あのマッシブな体型はカッコいい。
・前作ネゴロで出し損ねた「兵士」はクライマックスの方の雛形にもなってます。
・総角ｖｅｒは敵対特性発動まで５分、忍法なし、精密性やや下。牽制や部下たちの楯として用いるコトが多い。ただしそのた
め本家との連携は非常にとりやすい。
・忍び装束は武装錬金の一部ではなくただの服。総角や小札が作ってくれた宝物。破れて着れなくなっても、無銘は出来る
限り大事に保管している。
・以降、追記。
・『人の姿になりたい』『こんな自分は大嫌いだ』『どうして他の奴はこんな苦悩と無縁なんだ』という少年無銘のこじれた精神
から芽生えた兵馬俑。
・これに敵対特性をかけた場合は鱗（うろくず）がアレルギー反応。自らを攻撃。兵馬俑を崩壊に導いたのち無銘自身が喪神
するまで攻撃。
・無銘の兵馬俑自身の攻撃が無銘の兵馬俑自身に掠った場合はノーカン。スギ花粉アレルギーのスギは居ない。
・でも他者複製の兵馬俑はブタクサとかそんな感じなんで、無銘の兵馬俑でも『危ない』。総角にライザ、月吠夜のサクロス
といった複製系の使い手は天敵。
・後に音楽隊が仲間になるのを念頭に作った能力。誰が相手でも一発逆転の見込める一種のジョーカー。
・上では書き忘れていたけれど、イメージソースはもう１つあって、それは武装錬金連載当時のウソバレ。「能力の反転」と
いうのが何かの回であって、印象に残っていた。それが無銘のコンプレックスと仲間入り後の汎用性と結びつき現在の形
に落ち着いた。
・原作の武装錬金に用いた場合の『敵対』は、下記の通り。
【サンライトハート＆サンライトハート改】
エネルギー放出の堰が破壊。創造者が枯れ果てるまで際限なく放出。且つ、放出エネルギーで創造者を攻撃。
ただしヴィクター化カズキに施した場合、放出とその傷をエナジードレインで賄われてしまうため『地球上では』打倒不可。
回復のため地球上全体からエネルギードレインする→やがては無銘自身が吸い尽くされる→死ぬ→敵対特性解除。
カズキ勝利。
【バルキリースカート】
一章の通り。高速機動が創造者に敵対。膾斬りにする。
【シルバースキン】
特性上、まず『傷つける』のが難しい。兵馬俑は傀儡であるためシルバースキンを損傷せしめるほどの爆発力は滅多な
コトでは生まれない。
無銘自身の手に鱗（うろくず）をまぶした決死の忍法三日月剣であれば、或いは。
敵対特性発動時はムーンフェイス打倒の顛末がシルバースキン創造者に訪れる。即ち、ストレイトネット圧縮に近い作用
が生じる。『創造者を守る』特性は翻った場合『着ている者を絶対に潰す』となる。なお、敵対特性は創造者に作用するため、
シルバースキンを創造者以外の者が着ているレア・ケースにおいて発動した場合、作用は装着者ではなく創造者自身に返る。
ブレイズオブグローリーから剛太守っているシルバースキンにカマしたら剛太じゃなく火の中のブラボーに圧縮が行くという寸法。
【ソードサムライＸ】
一章の通り。蓄積したエネルギーが爆発。創造者を襲う。
【エンゼル御前】
無数の矢が自動で発射。創造者に着弾。なお、鏑矢のような『元からして自傷的な能力』を敵対特性は選定対象から外す
傾向にある。敵対させたとしても本来の使用と変わらぬダメージか、或いはそれ以下の損害だからだ。結果としてエンゼル御前
のような『本命が献身』の武装錬金創造者は、準超常的な副兵装の敵対を浴びるため、（全弾ヒット時の損害は他と遜色こ
そないが）、物理的に『回避の余地のある』敵対を浴びるコトが多い。上記は『弓』が敵対選定された場合。
（ヒトの姿になれぬ自己嫌悪から生じた能力のため、同じく自罰的な性根の持ち主にはどこかしら同情的なブレーキが掛
かるのではないかというのは総角の分析。真偽は不明）
なお、自動人形部分が敵対に選定された場合は、矢を製造して投げつける他、悪口、鼻をつまむ、お尻の間からのプウ
という音を浴びせてくるといった見るに耐えない無数の行為が訪れる。
【モーターギア】
変幻自在の角度で創造者を奇襲。無銘の一部たる鱗（うろくず）の無線操作に制圧されるため生体電流インプット無しの
ノーインターバル。戦闘不能になるまで切り刻む。（無銘の無意識の敵意の精神感応がインターバルなしで旋転させるため、
攻撃力は『低い』から『普通』程度に上昇。それでも元が『秋水の刀を折った第二段階ヴィクターが更に進行した第三段階時
の腕を切断できる”パワー最弱クラスの武装錬金”』のため、人間相手には充分脅威。
【ニアデスハピネス】
原料たる精神力の段階で爆発。体内から爆破。シンプルで強力な武装錬金ほど、敵対特性は猛威を振るう。
ただし黒色火薬は攻撃してもすぐ鱗（うろくず）ごと爆破して消えるため、創造者自体を攻撃しなくてはならない。
パピヨンは空を飛ぶ。無銘には追いつく手段がない（浮寝鳥→浮けるが基本的に水の上が多い。車兵五郎の応用っぷり
を考えるとやはり対水場のフロートか。質量ゼロｖｅｒもあるが空中浮遊の描写はなく、しかも能登忍法「浮舟（うきふね）扱い
のため基本甲賀縛りの無銘の埒外。ながれ星→浮けるし速いけど横一直線。上方向には不向きでしかも消耗ハンパない。
雲雨傘→足場にはなるが爆破される。枯葉がえし→根来専用。使えない）。
総合すると、「当てれば勝ちだが当てるまで空中から撃たれっ放しで攻略難度高い」。
【アリス・イン・ワンダーランド】
密集状態 → 幻影を創造者に返す。拡散状態 → 距離感と方向感覚を強奪。混迷に陥れる。
チャフは漂っているので攻撃しやすい……と思えるが、密集状態では『悪夢に落とされる前に殴り、かつ３分耐える』必要
がある。拡散状態は拡散状態で『無銘自身の』距離感と方向感覚が狂っているため、チャフを殴るの難しい。結局のところ
パピヨンがやった全方位攻撃を兵馬俑自爆で再現する以外、攻略法はない。全包囲攻撃で鱗（うろくず）を飛ばし傷つける
のだ。
【フェイタルアトラクション】
重力波動をヴィクターめがけ一点集中。ブラックホールに巻き込む。
ただしヴィクター化ヴィクターに施した場合、圧壊の傷をエナジードレインで賄われてしまうため『地球上では』打倒不可。
回復のため地球上全体からエネルギードレインする→やがては無銘自身が吸い尽くされる→死ぬ→敵対特性解除。
ヴィクター勝利。
【サテライト３０】
分身体から奇形の分身体が生える。
分裂増殖前に創造者または月牙を攻撃した場合は、増殖分身体総てに敵対特性の効能が及ぶ。
分裂増殖後に創造者または月牙を攻撃した場合は、敵対特性発動までの分裂増殖の有無によって効果が変化。
（ａ） 分裂増殖あり → 鱗（うろくず）潜入の分身から派生した総ての分裂増殖体に効果発動。
（ｂ） 分裂増殖なし → 鱗（うろくず）潜入の分身のみ効果発動。
分裂後は分身総てが固有の命を獲得する。一体の死が全体の死であるならば、キャプテンブラボーはああも苦戦しなか
った。従って敵対特性は「直撃したムーンフェイスの分身体」にのみ作用。
が、コンピュータウイルス的形質を持つ無銘の鱗（うろくず）は、ファイルと共に自己増殖をする。敵対特性発動を控えた
『無症状の疾患状態』にあるムーンフェイスが増殖した場合、その総ての分身体は鱗（うろくず）を抱える。ウイルスの添付
されたメールをコピーしてばらまいたように。
従って。
３０体への分裂増殖より速く三日月を殴れれば３分後全ムーンフェイス撃破。
分裂されてから二十三夜待を殴り、かつ３分後までにそれを最後の一体に出来れば分裂増殖によって敵対特性発動。
殲滅と相成る。
ただし分裂前に殴るのは難しい。「最後の一体」にしても３０体が乱舞する乱戦の中で正確に確認するのは実務上不可
能に近い。ラスイチと思わせて実は物陰に分身がといった小賢しい保険をかけるのが、ムーンフェイス。事実、一章終盤の
無銘は貴信と組んでも銀成勢と共闘しても敵対特性による殲滅は果たせなかった。
【ピーキーガリバー】
周囲の元素を再現なく固定し続けいつまでも巨大化。創造者を押しつぶす。戦闘不能になるまで質量を増大しつづけ、押し
潰す。右籠手のパージは不可。敵対特性発動直後まず元素固定によって装着面が固定され脱げなくなる。大味な金城らしい
『元素の山にやがて押しつぶされる』能力。
されど体積アップは体積アップ。金城のようなタイプは「暴走でも巨大化は巨大化なんだぜ！」と割り切り平気で攻撃（ヒャッ
ホウ）してくるので迂闊に近づくと無銘の方が負ける。距離を取っても勝ち誇って笑ったところに切り離しブロブティンナグ
フィンガーがドエライ勢いで……といったコトもありうる。忍者は強キャラだがバカには弱い。
【ノイズィハーメルン】
催眠音波を創造者に返す。『操ろうとした者が逆に操られる』は伊賀の影丸以来の伝統。闇の土鬼でも忍者はやられた。
元が被害面でも倫理面でもさほど凶悪でないため、創造者への被害は少ない。操った者が元の性格そのままのため、
陣内は炸裂しても陣内のままである。（もっともそれが却って潜入と攪乱には向いているので、比較的常識人な陣内には
怖い敵対。『敵に利用されたとあっては粛清されます、あなた私を殺す気ですか』）
【キラーレイビーズ】
レイビーズが犬飼を襲う。狂犬病状態で犬笛奪うのと一緒じゃん犬同士ゆえの手心？ といってはいけない。こちらは犬飼
が奥多摩でやった対処、『武装解除』が通じない。ステート奪われたコンピュータは本来の管理者にすら切れないもの、戦闘
不能になるまで襲われる。忍び汚いな本当汚い。
ただし犬飼にはチワワ状態の無銘で挑む方がコスパはいい。わんわんグルル吠えるだけで平常心奪える。
【バブルケイジ】
殺意高い敵対特性。場にある風船爆弾総てが円山に炸裂。数によっては彼、消滅。
といっても風船爆弾殴ると割れる→鱗（うろくず）も身長吹き飛ばされて消える なので製造装置の方を殴る必要がある。
殴りに来る兵馬俑を円山はバブルケイジの配置で牽制する……というのが大まかな流れ。
風船爆弾軍団ｖｓ忍法はトリッキーな戦い。無銘は小柄なのであまり被弾できない。円山は自分のペースに持ってける。
無限増殖についても同様。製造装置を殴ると３分後、無限増殖爆弾が円山戦闘不能まで苛み続ける。
【激戦】
細胞を異常増殖させる。ＩＫＳＢ細胞は、ありまぁす。
ＩＫＳＢ細胞はパピヨンと違い『異物』ではないためあの時レベルの支障は出ない。むしろ戦部、目の下から右手が生えよう
が足首なしの足が５８本になろうが飛んで跳ねて戦い続けかねないので、（余分な部位を自分で喰うまである）、なんとも。
最終的には人間でもホムンクルスでもない新たなジャンルの生物が生まれて終わる。
【シークレットトレイル】
一章の通り。亜空間が錐となって根来を襲う。
【ヘルメスドライブ】
一章の通り。登録されている者が具現化し攻撃を加える。更に登録された場所への無作為跳躍。
【エアリアルオペーレーター】
ガスマスク内に有毒気体を調合。敵対特性との相性の悪さがハンパない武装錬金のひとつ。
気体を操る毒島は犬飼同様、無銘（犬型）にも弱い。配置した無味無臭の毒ガスですら察知されるからだ。
だが小札と方向性が同じであるため、無銘のヘイトは低い。そもそも彼は匂いと物腰から初対面のガスマスクの頃から
即座に性別を見抜いていた。『敵対特性で奇襲して屠るのはどうなんだ』。１０歳の子供は真剣に悩んだ。
トーナメント的な戦いで無銘と当たった場合における毒島の敵対特性対策は「ガスチューブからのエア噴射で飛ぶ」。とに
かく兵馬俑の接近を避け、匂いを察知しようが避けられないほど広域な毒ガスに巻き込んで巻き込んで押し切る。
地上戦では毒島絶対不利。
無銘には忍法もある。吸息かまいたちでガスマスクの排気筒壊すだけでガス封じれる。
空中戦では無銘絶対不利。
もし仮に浮寝鳥で空中を足場にできたとしても、そこにある『気体』の体積をイジられるだけでヤバい。
誰だって階段がいきなり膨らめば、躓く。『空気』とは不可視だがしかし無数の分子は詰まっている。浮遊する空中の、足
裏にある気体分子の数や大きさが著しく増減することは、階段の、足裏を乗せた部分から突如厚手のゴム風船が膨らん
でくるような、そういう恐怖だ。
分子サイズの小さな気体を分子サイズの大きな気体に置換されるだけで空中の無銘はバランスを崩す。速度を失う。噴
射で自由に飛べる毒島への接近の機会を奪われる。
気体操作とは致死性のガスを撒くだけではない。『空気と言う物質の塊を』、用途に合わせて捏ねくり回せる能力なのだ。
ミニガン並みの連射力を誇るリバース＝イングラムの吹断を一定量無効化できたのは毒ガスの強さゆえではない。風速。
湿度。銃撃に対し常に重大な影響を与える『空気』という不可視のファクターを、毒島が白く正しく理解できていたからだ。
で、あるがため、駆け引きと応酬において毒島は敵対特性を易々とは喰らわない。火渡の秘書官の胆力と判断は、強い。
人間としては仲がいい。物腰が柔らかな毒島と、ひねくれてはいるが根は素直な無銘は妙にかみ合う。お互い背が低いし。
【ブレイズオブグローリー】
無銘の火。それは火炎同化中の火渡の周囲とりまく敵対特性。無銘の火は火渡を焼きつつ酸素を独占、真空を作り火
炎同化継続を妨げる。
当て方は最高難度。火の壁はウイルスを焼く。火炎同化を殴っても鱗（うろくず）はすぐさま焦げる。
『焼夷弾本体が３分間その姿を持続した』場合のみ攻撃は敵対特性発動と結びつくが、猛攻を好む火渡の性格上まず有
り得ぬシチュエーション。いかにしてその状況を作り出すかが鍵。
【バスターバロン】
創造者に突撃。人生打ち切る。男爵様は無敵です。
【アンダーグラウンドサーチライト】
内装が創造者に敵対。壁が迫る、天井が落ちる、床が崩れるといった様々な現象が頻発。
広域展開前提の能力のため敵対特性発動までのスパンは長い。体育館ほどのサイズでも８分はかかる。（身長５７ｍ体重
５５０トンのロボットの場合は平均２８分）
広くすれば広くするほど敵対を先延ばしにでき、無銘をいわば『腹の中』に置ける避難壕。敵対発動までトリカゴ余裕でした
な無銘殺しの能力。（ジャレ合い程度とはいえ幕間で負けたトラウマが更に意欲を萎えさせる。忍びは敵本拠地でガチンコ
やる生き物ではないのだ。むしろ巨大ロボの方がやりやすい。基本野外の戦いのため小柄な忍びは奇襲と隠遁の得手を
やれる）
【ルリヲヘッド】
創造者に取り付く。アレキサンドリア本人に行使した場合、『彼女』の『両側』をべしゃりと削いで被さる。怖めの攻撃。
『被せた者を操作』と『記憶を探る』は敵対時、『無作為に抽出した記憶を延々見せ続ける』効能を有する。一種の走馬灯。
アリスと違いトラウマ以外の物も見せるため心の傷は抉らないが、各時代に飛びまくる脈絡のない映像は心の均衡を崩す
には充分な破壊力。
【ディープブレッシング】
艦長は船体のポルターガイスト的剥落を、水雷長は兵器類の着弾を、航海長は電磁感応波の集中を、それぞれ受ける。
複数の核鉄から成る合体武装錬金に敵対特性を施した場合、各ユニットの担当者はその機能に応じた現象を浴びる。
これもまた大型の武装錬金のため、敵対特性発動までの時間は長い。（平均３５分）。突撃持ちの巨大ロボや包囲状態
にある避難壕と違い「斬ったら発動まで逃げて楽勝」の感の強い武装錬金だがそこは三核鉄六変化。爆弾仕掛けて逃げる
小僧っ子を捕捉して撃ちまくる『形態』もまたあるのだ。深海。海域中空。陸路搬送。未出のフォルムは、あと３つ。
【ジェノサイドサーカス】
【錬金力研究所】
【フライングバニー】
１番目は無限連射が、２番目は研究所設備が、３番目は戦闘機の一般的な攻撃性能が、それぞれ創造者に敵対。
メタい話すると、詳細明かされてないから敵対の内容の考えようがないんだよ！！
【ギガントマーチ】
強制的に大地を一打。
地震エネルギー総てが創造者に跳ね返る。自分を殴った時の体内地震と違い、『大地からの揺れ』が足元から全身に
伝播。創造者は力尽きるまで上下左右にブレまくる。その動きで押しやられる周囲の空気は、押しやられる前にガガガっと
圧縮され高温に到達。大気圏突入時に近しい理論によって薄くだが赤熱し肌を焼く。
空中戦を苦手とする無銘ではあるが、「短時間の浮遊」であれば水撒いての浮寝鳥で充分可能。つまり地震はゲーム的
理由で、完封。土石流も然り。水含んでるので車兵五郎理論で浮ける。車兵五郎は忍法帖にしては珍しく自分の能力を
応用した人。ヒロインへの恋慕高じて彼女の亭主殺した悪玉主人公だけどね！
西山最後の生命線は能力よりむしろ狡猾さなのだけれど、敵対特性で大打撃喰らった斗貴子さんが７年前修練無しで
倒していたのが西山であるコトを考えると、どうも。
【アンシャッターブラザーフッド】
筋繊維が限りなく肥大。激戦と違い骨格には変化がないためやがて莫大な筋量を支えきれなくなり、崩壊。
されど筋力アップは筋力アップ。真希士のようなタイプは「暴走でもパワーアップはパワーアップ」と割り切り平気で攻撃
してくるので迂闊に近づくと無銘の方が負ける。距離を取っても勝ち誇って笑ったところに西洋大剣がドエライ勢いで……
といったコトもありうる。
第三の腕は副兵装のため特に創造者を攻撃せず。もし筋繊維肥大が自傷認定された場合でも、創造者を殴る程度。
それ自体には破壊力がないため、損傷は軽微。むしろ『兄貴の腕』を悪用されたと真希士が正当な怒りに燃えるため、
逆効果。ずるいトコのある少年忍者が真希士タイプに勝てる展開は少ない。
【ライトニングペイルライダー＆ライトニングペイルライダー壊】
トライデントはサンライトハートの、エクゼキューショナーズはバルキリースカートの、サーモバリックはニアデスハピネスの、
敵対特性をそれぞれ浴びる。
『変形統合機構の再現』が命題な総角と違い、無銘は『出てきた特性を敵対させればいい』だけなのだ。
なお、特殊核鉄は新型旧型問わず敵対特性無効。敵対特性には『ヒトになれなかった黒い心で相手の精神を調伏し操る』
側面がある。しかし特殊核鉄は細工物、精神ではなくギミックでさまざまな武装や効能を発揮する代物のため敵対特性の
埒外。
【フロムクレイドルトゥグレイヴ】
白（グレイヴダガー）が健在の場合はそちらが創造者を遠隔操作（ドローン）で攻撃。老衰するまで切り刻む。不老不死の
願いから生まれた能力がゆえの『有老有死』の因果応報。
黒（クレイドルダガー）のみの場合は創造者の認識する風景を過去めがけ超高速で逆行。始原の宇宙めがけ『若返って
いく』世界の景色で以って精神を幻惑させ崩壊に導く。（時よどみの要領。意地でも創造者本人の若返りなどしてやるもの
かという皮肉）
創造者との距離によって精密性が上下する欠点を抱えているものの、『宙を舞う』武装錬金であるため地上型かつインフ
ァイターの兵馬俑では『当て辛い』相手。震洋のダガーは目が澄んだ頃の我らが秋水すら退行させた能力。ムーンフェイ
スに頭掴まれ変な動物のもがき方してた頃の腐った目にした。よって『無銘への刺さり方如何では人間形態を奪う』。加え
て無銘はまだ１０歳、若返りにはすこぶる弱い。チワワに固定され動揺→すかさずクレイドルダガー であっさり戦闘不能
になるコトも。
番外編の半ギャグ展開の中とはいえ、ブラボー、火渡、斗貴子、桜花、秋水、剛太の実に６人を退けた遠隔操作と年齢操
作は決して弱いものではないので（撃破数では鐶より上）、実は結構難敵。敵対特性は当て辛い。
学園襲撃のとき震洋に核鉄貸してあげれば勝てたかもなのにね、バタ爺。
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