インデックスへ
第080〜089話へ
前へ 次へ

第086話 「終戦処理」



 最後の一体になった月顔が歪んだ笑みを増殖させていく。
「おやおや。お久しぶりだねパピヨン君。無礼については謝るよ」
「しかし確かに先約を無視した私にも非はあるけれど」
「いきなり力づくでパーティを中止させようというのは感心しないね」
「第一、爆発物を会場に持ち込むのもマナー違反じゃないかな」
「しかも不意打ち」
「それに私はまだ君と争うつもりはないし」
「できれば末長くお付き合い願いたいと思ってるんだけど?」
 壮年を迎えころころと太った欧州の女性のように甲高い声にはまるで緊張感がない。
 それもその筈彼の武装錬金は不死鳥にも似た特性を有している。すなわち増殖さえすれば
同時に総てのムーンフェイスを斃すか拘束せぬ限りいつまでもいつまでも戦えるのだ。
 しかも立ち向かってくるパピヨンと体面上は仲間だった時期もある。伝手と本来の狡猾な性
質を以てすれば必ず切り抜けられる。……次の声はまさにそういう自信に満ち満ちていた。
「そうだ。見逃してくれたらいい物をあげるよ。私の再就職先は錬金術に精通」
「だがNON!」
 伝手も狡猾も自身も粉砕するドス黒い笑みが胸の前でバツを描いた。
「気に入らないね。人が留守をしたパーティ会場に土足に踏み込んでおいて物で釣ろうとする
傲慢かつ人を舐めたその態度!」
「お前が言うな!! だいたい今までどこに行っていたんだ!?」
「ど……ゴパァ!」
 斗貴子の絶叫は吐血によって無視された。
(はしゃぐからだ)
(はしゃぎすぎたな)
(はしゃぎすぎたようね)
(全速力で地下に飛び込み武装錬金を振るった後に間髪入れずまくし立てればそうなる)
 秋水、防人、千歳、根来は呆れたが、しかしパピヨンは止まらない。
 口の血を拭って荒い息をつくと、喘鳴(ぜんめい)混じりでハリのある大音声を張り上げる。
 濁った瞳は五輪のごとくブレにブレている。
「どこの共同体に鞍替えしたかなどまったく興味はないが、貴様程度が与えられる代物などこ
の蝶・天才の俺に作れぬ筈がないッ!」
 しかもくるくる回ったり喘ぐように発音したり腰をくねらせたりしつつだ。
 辺りに立ちこめ始めた妖気は何ともおぞましい。
 小札は驚き香美は貴信とともに震え、袖を鐶にぎゅっと掴まれた無銘すら歯の根を鳴らした。
(……実況不可能な方がこの世にいたとは)
(ご主人、アレ何!? 怖い! アレ怖いじゃん!!)
(落ち着くんだ香美! あ、あれはちょうちょだ! おかしな発生したちょうちょだ!)
(嫌です……。あんな人……嫌、です。助けて下さい……無銘くん。涙が……出ます)
(おおおお恐ろしくなんかないぞ我は! 鐶につられてるだけだ! そ、そうに違いない……)
 対峙していたムーンフェイスが白目を縮めて生唾を飲み、後ずさるやいなや踵を返して逃げ
出したのはブレミュ一同とはまた違った理由である。
 ……
 増殖を終えたばかりのムーンフェイスの周囲に黒死の蝶が充満していた。
 包囲網を突破し安全圏まで行かねば全滅は免れない。
 そんな物理的で単純な構図から逃げようとしたのだ。

「残念。逃がさない」

 狂喜に引き攣る口から濁った吐息がねっとりと漏れ──…

「まとめて吹き飛ばしてやる!」

 指が弾かれると同時に大爆発が起こった。

 かくてムーンフェイスは殲滅された。
 彼も強かったが、相手が悪すぎたとしかいいようがない。

「銀成市の時間を進めたのは鐶。超新星を空に放ったのは貴信。どれも戦闘のための必然的
な動作であって、俺が命じた訳ではない。よって利用した事にはならないさ。あくまで幸運」
 総角だけは瞑目して気障ったらしい笑みを浮かべた。

「で、貴様たちのお目当てはコレという訳か」
 まったく油断も隙もない。戦士たちは声がどこから来たか知ると驚愕を浮かべた。
 パピヨンが先ほどの小部屋の中で『もう一つの調整体』を解放して握っている。
 ヘルメスドライブを持つ千歳でさえ舌を巻くほど素早い移動だ。
「だが俺ばかりが蚊帳の外というのもつまらん。何があったかさっさと説明してもらおうかブチ
撒け女」
「なんで私が」と抗弁しかけた斗貴子が、防人からのなだめすかしを得て説明するまでいささ
かの時間を要した。

 更にしばらく後……

「成程。こんなちっぽけな核鉄もどきの為にね」
『もう一つの調整体』を掌の上で投げつつ、パピヨンはつまらなさそうに呟いた。
「まったく話にならんな」
「何!?」
 説明を終えた斗貴子の形相がみるみると激情に染まった。今にも斬りかからんばかりだ。
「がなるなよ。要するに貴様たちはそこの金髪男とムーンフェイスにいいように踊らされていた
という訳だ。違うか?」
「それは」
「相変わらず下も下なら上も上だな。風の噂で聞いたが大戦士長とやらが何者かに誘拐され
行方不明とかいうじゃないか。俺に八つ当たりする暇があるのならまずは下っ端らしくそっちを
どうにかしてみせたらどうだ?」
 こういう挑発につくづく弱い斗貴子だが、理性でなんとか持ちこたえた。
 しかし詰め寄りながら発する声音はひどく強張っておりつつけばすぐにでも爆発しそうだ。
「……まあいい。だが『もう一つの調整体』は渡してもらおうか」
「断る」
 黄色い核鉄を弄ぶのにも飽きたらしい。宙に浮いたそれをパシっと小気味よくキャッチすると、
パピヨンは戦士一同を指差した。
「生憎だがご先祖様を殺した瞬間からL・X・Eの施設は総てこの俺パピ・ヨン! の物と決まっ
ている! そう、上は修復フラスコから下は実験器具に至るまで全部全部俺の物!」
 非常に意地の悪い笑みが蝶々覆面(パピヨンマスク)の下でぐつぐつと沸騰する。
「あの時の決戦にさえ持ち出されなかった核鉄もどきなんぞに今さら何の興味も沸かないが、
しかし貴様たちにむざむざ呉れてやるつもりもないね。そもそも俺にいわせれば」
「『空き巣よろしくコソコソと奪おうとした連中こそ悪い』。……フ。断わっておきますが俺達に
限っては正当な持ち主たる貴方へ献上するために諸々の雑務をこちらで引受けただけ……
とだけ申し上げておきますよ。Dr.バタフライの玄孫殿」
 声は総角の物であった。
 彼は膝をついて執事のごとくとうとうと述べ上げている。
 パピヨンの顔色が変わったのはその丁重すぎる態度が気に障ったのか、それとも次の言葉
を横取りされたせいか。
「気に入らないね。慇懃無礼なその態度」
「これは申し訳ありません。爆爵殿には生前並々ならぬお世話になったため、御恩返しとばか
りにその核鉄を起動する六つの割符を部下ともども集めましたが……余計な手出しだったよ
うで。確かに貴方の才覚であれば一日とかからず起動にこぎつけた事でしょう。しかしご不在
時に何やら不穏な動きを見かけましたのでつい老婆心にて」
 パピヨンの頬が一瞬だけ喜びに歪みかけたが、すぐ怒りに引き攣った。
 堂々とした媚ほど腹立たしい物はないのだろう。
 秋水は気づいた。

──「だが俺ならば正しく使ってみせるさ」
──「いや、正確にいえばあるべき所に戻すというべきか」

(あるべき所とはパピヨンの事だったのか。……全く喰えない男だ)
 先ほど剣で下した相手だというのに俄かに巨大に見えてきた。
 ちなみにこの時の秋水は、小札たち一同に刀を突き付け反撃せぬよう牽制している。
 もっとも彼らに戦意はないらしく、めいめいの表情で総角を眺めるばかりだ。
「何かあれば部下ともども協力致す所存です。ご用命あればいつでもどうぞ」
 透き通るような笑みで総角はパピヨンを見上げた。透明なあまり却って人工物に見える笑顔だ。
「なんか腹たつじゃんあの態度! 口調はあやちゃんのパクリだし、あたしらコキ使ってるとき
とちがいすぎ!! なにアレ? ねぇなにアレご主人! ムカつくじゃん! うぅ〜!」
 香美がこう唸るぐらい胡散臭くもある。結果、パピヨンは心象を著しく害した。
「で? 貴様はそうやって俺に協力するフリをして何を俺にさせようとしている? 言っておくが
戦団への助命嘆願ならしてやる義理はないね。まして策を弄しておいて負けた男なら尚更だ」
「フ。成否は別として自分の命程度なら自分で助けるつもりですよ。かつての貴方同様に」
「一緒にするなよ貴様ごときと」
「これまた失言」
 すっと伸びあがった総角は数歩歩くと、思い出したように呟いた。
「そうそう。あの晩の蝶野邸からL・X・Eのアジトへと貴方を運んだのは……この俺」
「ほう」
 パピヨンの眉が微妙に跳ね上がったのは怒りか屈辱か懐かしさか。
「その時に周辺から細胞片をかき集め、再現し、観察したためニアデスハピネスを……いや、
これもまた失言か」

 そのやり取りの間に戦士たちはどうするか相談した。
「確かにパピヨンのいうコトにも一理はあるが……どうしたもんか」
 腕組して呟く防人を斗貴子は鋭く見据えた。乱暴にいえば「戦士長ならそんな一理よりも任
務を優先してさっさとパピヨンから『もう一つの調整体』を奪還しろ」。そんなニュアンス。
 だがそれは正論でもあるから防人は難しい顔である。
『もう一つの調整体』が核鉄となると俄かに人を襲う可能性は少ない。
 ましてそれを持っているのはパピヨン。これまでの言動を考えるとカズキと決着がつくまで街
の人間を襲わないように思われた。もし仮に『もう一つの調整体』が核鉄以上の生物兵器で暴
走したとしても、先ほどのムーンフェイス殲滅同様全力を以て食い止めるだろう。
 一方、そんな彼から『もう一つの調整体』を奪還しようとすれば莫大な戦闘が必要になる。
 戦士たちは根来以外全員が重傷。(千歳はまだズグロモリモズの毒が残っている)
 根来なら亜空間からすぐに奪還できるが、そういう刺激を与えるとパピヨンは戦士たち全員
に反撃の矛先を向けかねない。そうなってくるとどうにもならぬ。
「……すっきりしない決断だと思うかも知れないが、今の戦力では取り戻そうとする方が危険
だ。ここはいったん諦めよう。何かあれば俺が責任を負う」
 判断に至った理由、それから「戦力回復後に指令が下れば改めて奪還する」という防人の
言葉に斗貴子は渋々ながらに納得した。秋水もまた然り。
「ようやくまとまったようだな」
 パピヨンは天井の穴の下で腕組みすると大儀そうに呼びかけた。
 月光が細く引き締まった華麗なる肢体をきらきらと照らし、えもいわれぬ色香が漂っている。
「まあ当然といえば当然の結論。それが出た以上こんなカビ臭い所にもう用はない。さっさと
立ち去らせてもらう」
 結論の出ぬうちに去るのは逃げるようで気に入らなかったのだろう。
 ちなみに彼の武装錬金ニアデスハピネスは変幻自在の黒色火薬。
「だがブチ撒け女はここにずっと引き籠っていろ! 今の辛気臭い顔にはそれがお似合いだ!」
 黒い粒子が背中へ蝶の羽の如く集結したのもまた特性ゆえの現象だ。
「っの! 黙っていれば言いたい放題! お前こそずっとここに沈んでろ!! 大体その方が
誰もおかしな物を見ずに済むんだ!!」
「やれやれ。馬鹿の一つ覚えだな。しかも未だに風流を解す目を持ってないときている」
 四本の処刑鎌を振りかざして突進した斗貴子をひらりとパピヨンを避けて飛び立った。
「俺は新たな目的のために蝶・忙くてね。ブチ撒け女ごときには構っていられない!」
 蝶の羽の端々に輝くオレンジ色の燐光が尾を引いて天井の穴へ吸い込まれた。
「まず探すべきは──…」
 最後に、声が響いた。
「この街に来たというヴィクターの娘だ!」
「何!?」
 秋水が驚く頃にはもう声の残響もパピヨンの姿もなくなっていた。
(ヴィクトリアを……どうするつもりなんだ?)
 一難去ってまた一難。
 ヴィクトリアを取り巻く運命はまだまだ転変していくように思われた。

「『もう一つの調整体』については一段落ね。……残るは」
「総角主税の戦団への連行」
「そういえばお前たちの本来の任務はそっちだったな」
 千歳と根来が頷く頃、総角が涼しい顔で寄ってきた。
「古い話だが、皆神市における事件の背景の聴取という事だな。それから『もう一つの調整体』
の実態について」
「ああ」
「ところで、あれがパピヨンの手に渡った以上、お前たちとしては手持無沙汰の筈。戦団へ”奪
われました”とみすみす報告するのは辛かろう」
「何がいいたい?」
 悠然としすぎた態度に斗貴子の眼が三角になった。いわば逮捕された犯人なのだ総角は。
にもかかわらず彼はまったく対等以上の態度で接してきている。パピヨンへの怒りが冷めぬ時
にそんな態度を目の当たりにすれば逆上しかけても仕方ない。
「よってだな。些少ながら」
 指が二本、無造作に立った。
「核鉄を20個、戦団に献上する」
 言葉の意味を理解した斗貴子は彼女らしく叫んだ。
「フ、フザけるな! 核鉄が20個といったら……全核鉄の5分の1だぞ!?」
 意味が分かっていっているのかと彼女は目を戛然と見開いた。
 秋水すら内心でそう叫びたい気持ちだ。彼と桜花はそれぞれ一つの核鉄を借りるのにさえ
莫大な苦労を強いられた。信奉者として生き残り、学校生活では品行方正に務めあげ、それ
を重ねて約三年。ようやく生徒会会長と副会長になって「借りた」程度。それに比べれば実に
20もの核鉄を戦団に提供しようなどという話は全く現実離れしすぎている。
「嘘ではないという保証は?」
 流石に防人の瞳にも強い猜疑の光が宿っている。
「鐶」
「……はい」
 呼ばわれた鐶はポシェットをごそごそとまさぐり、次から次に核鉄を取り出し始めた。
 無銘も貴信も自分の核鉄を床に置いた。どうやら先ほど彼らの行使していたのは「20の核
鉄」から拝借していたらしい。
 ──やがて地面に出現した核鉄の山ほど現実味のない光景はなかった。
 一般人が札束を見る感覚に近い。いや、宝石の山か。とにかく全世界に散らばっているで
あろう100の核鉄のうち5分の1がこんな薄暗い地下に集結しているのは信じがたい光景で
あり、総ての核鉄を入念に確認する千歳の白魚のような指さえ微かに震えた。
「……確かに20個あるわ。イミテーションでも張りぼてでもない本物の核鉄が」
「ん? そうなると俺たちが奪った核鉄が他にもあるから」
「最低でも合わせて26個」
(俺が貴信たちから奪っても何の戦力低下にもなっていなかったというのか……?)
 愕然とする戦士に総角は朗々と説明した。
「フ。10年もあちこちを放浪すればそれ位の核鉄は集まるさ。平均でいえば一年に3つ入手
すればいいから決して達成不可能な数字ではない。だいたい鐶が仲間に加わってからは加
速度的にあちこちの共同体を殲滅できるようになったしな」
 しかし斗貴子が本当に本当に総角を攻撃したくなったのは次の文言がきっかけだろう。
「そして大戦士長・坂口照星をさらった者どもの情報も教える」
 本当に何なのかこの男は。あまりに戦士一同を喰い過ぎている。
「その代わり、坂口照星救出まで部下の命は保証してもらいたい」
 防人は「おや?」と首を傾げた。
「お前の安全は勘定に入っていないようだが、それでいいのか」
「フ。流石に鋭い。白状すると俺は今の提案が巨大な外圧や危機と上手く絡みあう事に一縷
の望みを賭けている。『こちらが何もいわずとも戦団側の事情でしばらく生存を黙認される』。
そんな事態に。何しろいまお前たちを派手な条件で呑んだとしても、戦団に断罪されれば引
かれ者の小唄だからな。これでも結構必死だったりする。いや、本当に。本当マジで」
 総角はちょっとおどけた。おどけながらも額には汗が数滴浮いている。
(ちょっと素の部分が出ておりますねコレは)
 小札はドキドキしながら頬をわずかに綻ばせた。
「成程。確かにただ核鉄を献上する程度なら事情聴取の後に処断される確率の方が高いな」
 危機にあるのはむしろ総角たちなのだ。
「まぁ、例え処刑されようと運命として大人しく受け入れるつもりだ。秋水と斬り結んだ感触が
冷めやらぬ内に死ぬのも生き様としては悪くない」
 防人の決断は総角の粛然とした微笑によって促された。

「分かった。戦士長の権限において君の提案を受け入れよう」

(まったく納得はできないが、今の戦団の状態から考えると呑まざるを得ないというコトか)
 感情と思慮の乖離に懊悩しつつ文句は飲み干す斗貴子である。
(だがそれでも、この街での戦いは終わったのは事実だ)
 天井の穴から月が覗いている。それは微かに潤んだ瞳の中でくしゃくしゃと歪んだ。

 ややあって。
 幾つかのやり取りと一つの意外な出来事を経て……

 総角を筆頭とするザ・ブレーメンタウンミュージシャンズの面々は連行された。

「できればまた剣を交えてみたいな。できれば真剣ではなく竹刀で」
「……そうだな」

 数多の事情を鑑みれば叶うかどうかも怪しい約束を残して。

 …………

「むーん。やっぱり保険は掛けて置くものだね」
 誰もいない路地裏を歩くムーンフェイスが居た。
 念のために分身を1体別の場所へ配置していたのだろう。かつて鐶と戦った時のように。
「まさかあそこでパピヨン君が出てくるとは流石の私も予想外。……心残りだけど今は退散さ
せてもらうよ。これを使っても良かったけれど、そうすると『死魄』が出てきてしまう。流石の私
でも完全に制御できるかどうか……いや、発動して生き延びれるかさえ怪しいからね」
 その手にあるのは逆向から奪った廃棄版の『もう一つの調整体』。くすんだ黄色の核鉄。
「しかし私は諦めない。何年経とうとどんな手段を使ってでも、この地球を月面世界のように荒
廃させてみせるよ。いまは再就職先でしがない一構成員をやっていたとしても……必ず」
 かつかつと足音を立てながらムーンフェイスは闇に溶けていった。

 千歳がヘルメスドライブで探索しても映らない、深い深い闇へと──…

 ……秋水とムーンフェイス、そしてもう一人の男が熾烈な戦いを繰り広げるのはこの稿より
随分後のコトである。

 そして時系列は翌日に移る


前へ 次へ
第080〜089話へ
インデックスへ