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【2次】漫画SS総合スレへようこそpart27【創作】より
まんがにほん昔ばなしのOPをジョジョっぽく書いてみたSS
突発的な思いつきです。
坊や! 君はとてもいい子だッ! そうだ! ねんねする事を、ねんねする事を!
君のその限りなく善良な精神に敬意を表し……
『午後八時から午前六時まで』睡眠を取る事をッ! 許可しようッ!
バン!
∧∧∧∧∧∧∧∧∧
< 睡眠とは何かッ!? >
∨∨∨∨∨∨∨∨∨
それは今も昔も、正確にいえば紀元前3世紀より今日に至るまで変わりなく受け継がれる暗黒の儀式!!
『ハハーノ・メグゥミ・ノ』(子守唄) ──遠い昔の物語── その1
駄目だッ!!
夢をたぐっているのにホロホロと花までほころびやがるッ! かぐや姫みてーになァ!!
おいおい待てよ、たまげたぜオイコラァーッ!
かさ地蔵の野郎ォ〜! オレが人の情けを込めた手ぬぐいを逆利用してッ!
気づかねェうちにそっと幸せを運びやがったァァ!!
クソ、幸福感が全身にみなぎってたまらねェ!
幸せだぜッ! 幸せだぜェー! まったくもって信じられねえぐらいハッピーだァァァアア!
ヤツはッ! かさ地蔵のヤツはどこいきやがった! 見つけたらブッ殺してや…」
『一寸法師はどこにいる?』
!?
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
「へ、へへっ、オレもてめーも鬼退治かッ! 地蔵は地蔵らしく薄汚ぇ手ぬぐいでも被ってりゃいんだよォ〜!
オイなんだなんだなんだァ〜? その手にしている白いものは? やるってのか?
恩返しの時は歩けるのに吹雪の中じゃあじっとしてる地蔵ごときが、やるってのか?」
歩けるんなら最初っから吹雪の当たらない洞窟にでも行きやがれ!」
「…………」
「やれるもんならやってみやがれ! この……
ノータリンな石頭にコケを生やしたクソ間抜けがァァァアア───ッ!!」
ユゥゥウゥキ! リィィィィンッ! リィィンッ!
「手を繋いだな? 正義の為の桃太郎よ……」
「な、なんだこれはッ!? ウゲッ! マズイ! 鶴だ! 白いものは鶴だった!
こいつ鶴を…、よりにもよって鶴を俺の右腕にくっつけやがるゥゥウウウウ!」
日本に生息する鶴はまことの恩返しをするというが信じてはいけない。
彼らの部屋の扉をトイレと間違い開けたりすると「よくも約束を破りましたね」
とばかりにこちらを睨み、頼んだ反物を織ってくれなくなる。
そういう時には畑でとってきたミミズを食べさせてあげるといい。
すると鶴は途端にニコニコ顔になり、また反物を織ってくれる。現金なヤツらだ。
「茶だッ! 茶を沸かせたぬき分福ッ!
桃太郎がたぬきに命令するってのも変な話だが早くしろッ!!
オイ何をしてやがる、早くしろってんだ! 早くッ 煮えたぎる玉露をオレの腕にブチ掛けろオオオオオオオ!!!」
「無駄だ。その鶴にはうさぎと小亀を喰わしている。
かけっくらをし、アドレナリンが極限まで分泌されたうさぎと小亀をな……
おかげですっかりラリっている。そうまるで、観客はちっともいないのに空中で突然舞を舞い始める天女のようにな……
だから熱湯ごときじゃあ驚きもせず、まして離れる事などありえない」
「かさ地蔵よォー てめー耳までコケに塞がれちまってんのかァ〜〜?
それとも石でできてるから耳は元々お飾りなのか? ま、どっちにしろオレにゃあ関係ねーけどなァー
なぁ、おい。誰がこの、白目剥いてヨダレまみれの汚い鶴のいる右腕に玉露をかけるつった?」
「!?」
『Please Wake Up BO-YA! Please Wake Up BO-YA! 良イ子ダ! 玉露ノ沸騰ヲ確認シマシタ!!
舌切リ雀ガ飛ンデクルヨリモ早ク! 玉露ヲッ! ”左腕”ニブチ掛ケマス!!』
バッシャア─z___ン!! ジュヴァシャアア!!
(こいつ、なんという無茶を…! あれは花咲かおじいさんでも浦島の玉手箱でもやらないような荒療治!
だがこの精神こそが、我々地蔵一族に笠をかぶせた原動力なのだろう……完敗だ……)
「うぐぅッ! 分かっていたとはいえやっぱり熱ィ…
玉露を掛けたからといって別に鶴は剥がれ落ちちゃいねーが、この火傷の痛みでちっとも気にならなくなったぜ。
ところでよォ〜 かさ地蔵。前々から思ってるんだが、てめーと似たような頭してるドラえもんはどこに耳があんだろうなァ〜?」
ロングロングアゴー! 物語よ永遠に!
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