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【遊ぶのでしたら】武装錬金萌えスレ36【お早めに】

遠い日の剛太

(ときどき、国語の教科書に載ってた作品の続きが読みたくなりませんか? こころとか野火とか。
ちぃちゃんの影送りとか色々ありましたよね)



錬金戦団の養護施設での教育風景

小学二年生の剛太は教科書を朗読していた。
「おう なつだぜ おれは げんきだぜ あまり ちかよるな
おれの こころも かまも どきどきするほど ひかってるぜ」
国語の授業の時、声が小さいって言われたから練習している。
正確に言うと、斗貴子から「男のコはもっとハキハキするべきだ!」と言われたから
剛太は練習している。
そこにブラボーと千歳が通りかかった。
「ほう、授業でもないのに朗読とはブラボーだ!」
感心したのか、ブラボーは笑いながら剛太の頭をくしゃくしゃ撫でた。
千歳は、剛太の目線へあわせるように屈み込んだ。剛太はちょっと気恥ずかしい。
「でも、もうちょっと感情を込めた方がいいわよ」
「…待て、キミが言うと説得力がないぞ」
「そうかしら?」
千歳はブラボーを見上げたせいで、目線が外れ剛太は一安心。
「まぁ、戦士・千歳の言うコトにも一理はあるな。
例えば、こんな風に読んでみてはどうだ?」

おう夏だぜィッ! 俺は元気だぜィッ! …あまり近寄るな。
俺の心も! 鎌もォォォオ! ドキドキするほど光ってるぜェェエエエ!!!

「どうだカッコいいだろ!」
千歳はブラボーを指差した。
「こんな風に読んじゃダメよ。悪い大人になっちゃうから」
「フ、相変わらず戦士・千歳は手厳しいな! おおそうだ、コレをあげよう。頑張れよ少年!」
ブラボーはからからと笑うと、剛太にアメを渡した。
そして千歳と一緒に帰っていった。

「おう なつだぜ おれは げんきだぜ あまり ちかよるな
おれの こころも かまも どきどきするほど ひかってるぜ」

夕暮れ時の施設に朗読が元気よく響く。
撫でられた頭はちょっとポカポカしていて、剛太はよく分からないけど懐かしい。



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